自然観察日記

身近な生物と人と環境の関りを再考するブログ。つまりは飼育栽培観察日記。

[胞子培養]1日目 ビカクシダ(リドレイ、エレファントティス、マダガスカリエンセ)の胞子をお手軽ティッシュ培地に蒔く

胞子がしっかり生きているか、成熟しているかを確認し、発芽初期の芽の状態を観察しようと思うので今回はお手軽ティッシュ培地を使いたいと思います。

この培地は時々種子植物で使うのですがあくまで発芽の確認用です。古い種子でちゃんと発芽するのかわからない時や発芽にどれくらいかかるかを知りたい時、または芽の形を確認したい時に使います。土を使わないので部屋に置いても汚れませんし、白いテイッシュの上だと植物体をしっかり観察することができます。ちゃんと植物を育てたいならもっとしっかりした培地があると思いますが、とりあえず確認のためならこれで十分です。

作り方は非常に簡単で100均のミニタッパーにティッシュをたたんで敷き詰め水をかけるだけ。

水はタッパーを裏返してもこぼれないぐらいに、ティッシュが張り付く程度で十分です。種子の場合発芽には酸素が必要ですし水が多すぎると呼吸できません。種子が水に接していれば、水は種子の方に勝手に染み込んでいきます。

胞子も種子と同じように、発芽には水と酸素(もしかしたら光も)が必要だと思いますし、失敗したら別の方法を検討します。

胞子蒔きには耳かきを使いました。

ビカクシダの胞子は量があまりないのでとても貴重です。あまり無駄遣いはできません。耳かきに少量の胞子(先端にちょびっとだけ)をのせティッシュ培地の上で反対側の端をとんとんと軽く叩きます。すると白いティッシュの上に茶色い粉(ほとんどは胞子嚢やトリコームなんですが)がふわっと広がります。この方法だと蒔き時のちから加減でどのように胞子が広がるかがわかりやすいです。

先日紹介したビカクシダたちの胞子を培地に蒔いてみました。

実体顕微鏡で観察してみるとやはり胞子だけではなく胞子嚢の破片やトリコームのようなゴミが多いです。耳かきですくった部位にもよるのでしょうが、胞子自体は1/10もありませんでした。もう一つ困ったことに一部の胞子嚢は破裂せず、中に胞子がつまったままになっています。仕方がないのでまち針を使って胞子嚢をバラバラにしておきます。ちょうど裁縫で使うマチ針の先端が胞子をいじくるのにちょうど良いサイズでした。すべての胞子嚢は無理ですがある程度胞子がバラけたのが確認できたのでこれで良しとします。

今回はそれぞれの種で2つづつタッパーを用意しました。ビカクシダには光が必要とのことなので一つは明るい場所(直射日光の当たらない窓際)にもう一つは暗い場所(引き出しの中)において観察していきたいと思います。室温は29度、胞子はしっかり成長してくれるのでしょうか。